人の三大欲求は、食欲・睡眠欲・性欲と言われています。
この3つは人類が繁栄する上で必須の欲求であり、その中でも食欲・睡眠欲は私たち個の存続のために必須の存在です。体は食べたものによって作られ、睡眠によって活動を維持しています。
にもかかわらず、私たちは食事・睡眠についての知識が圧倒的に不足しているのではないでしょうか。
食事に関する本を5冊読み終え、個人的には食に関する知識を十分に習得できたと思います。そのため、食事については知識を入れるInput phaseから、実践するoutput phaseに移ろうと思います。
そして今回は、人の睡眠時間が1日8時間だとすれば、人生の3分の1の時間を費やす睡眠について、最新で正しい知識を取り入れていきます。時々、”若いうちは睡眠を削って仕事や勉強をしたほうが良い。”という意見もありますが、もし睡眠が必要でないのであれば、人類史350万年の歴史で睡眠を摂る必要がないように進化しているはずです。現代のように安心して眠りにつける状況ではなかった狩猟採集時代を経てもなお、残り続けた睡眠についての理解を深めていきましよう。
参考文献は下記の通りです。
出典:SLEEP SMARTER
著者:Shawn Stevenson
Chapter1:睡眠は人生のすべてを左右する
この章では、睡眠の定義と必要性を説明している。
大前提として、
”睡眠を完全に理解している人は誰もいない”
その上で、睡眠の定義は
「頭と体が自然に断続的な休息をする状態」であり、
必要性は
「眠ることで身体が再生され、若さが保たれるため」
である。
一般に、人は目覚めているときに異化作用(外から摂取した物質を体内で分解する過程)が起こり、眠っているときに同化作用(外から摂取した物質を合成する過程)が起こる。
また、睡眠不足に陥ると(24時間一睡もしない場合)脳に送られるグルコースの量が全体で6%低下するという。とくに、頭頂葉と前頭前皮質といった判断をするための器官へ送られるグルコース量は12~14%失われる。睡眠不足に陥ると、甘いものお菓子やポテトチップスを食べたくなるという経験をしたことはないだろうか?あれは、グルコースの不足した脳が、糖を補給しようとして起こす行動である。普段であれば節度のある食事を摂るあなたが、睡眠不足時に誤った判断をするのは、脳に送られるグルコースが不足していることが要因である。
Chapter2:睡眠ホルモンを自ら作り出す
この章では、睡眠に関するホルモン、セロトニン・メラトニン・コルチゾールを操り適切な睡眠を摂る方法が説明されている。
一般に、人の体内時計にリズムは24時間である。
そして、この24時間のリズムは体内で分泌されるホルモンによって動いている。
基本的には、朝、コルチゾールの上昇により血糖値が上昇し活動を開始。コルチゾールは時間の経過とともに夜にかけ減少していく。日中に太陽光を浴び体内のセロトニンレベルが上昇。夜になるとセロトニンはメラトニンという熟睡を助けるホルモンに変わる。という流れである。つまり、目覚めたい時間にコルチゾールが上昇し、眠りたい時間にメラトニンが上昇するような仕組みを作ることが、良質な睡眠を手助けするという。そのためのアクションプランとして、目覚めるときに太陽光をしっかりと浴びようというものであった。
Chapter3:電子機器の使い方を見直す
この章では、ブルーライトと睡眠の関係を説明している。
前章にある通り、良質な睡眠は低いコルチゾール値と高いメラトニン値によって成り立つ。そして、コルチゾール値は太陽光によって上昇するのだが、スマートフォンやPCから発せられるブルーライトによっても上昇してしまう。すると体内時計が狂い、眠りたい時間に眠りづらくなってしまう。たくさん眠ったのに眠気が取れない、という経験がないだろうか?これは、前日寝る前に電子機器からブルーライトを浴びすぎたことが要因かもしれない。ブルーライトは、スマホを近くで見ている分にはその光の強さを認識することはできない。しかし、ひとたび部屋を暗くして部屋の隅でスマホを光らせているとその光の強さに気づけるだろう。ブルーライトの強さを示すのに最も適している言葉を見つけた。
それは ”空は青い” である。
Chapter4:カフェインの門限は午後2時
この章では、カフェインと睡眠の関係を説明している。
「コーヒーを飲むと眠れなくなる」と聞いたことがあると思う。しかし、なぜ眠れなくなるのかを説明できる人は少ないのではないだろうか。
目覚めている間、脳細胞は活発に動き、その結果アデノシンという副産物を生む。このアデノシンと、その受容体の結合が一定レベルに達すると、人はリラックスモードになり眠くなるのだ。
困ったことに、カフェインはアデノシンとよく似た構造をしているため、アデノシンの受容体と結合することができる。しかし、カフェインはアデノシンではないため、受容体に対し、疲れを感じさせ、休息が必要だと伝える信号を発さない。すると、アデノシン受容体の周りにはアデノシンがいっぱいなのに、カフェインが受容体とくっつくためアデノシンがうまく受容体に休息の必要性を伝えられない。→眠くならない。という状況になる。
このカフェインの半減期は5~8時間と言われている。服用から8時間ほどは眠りにくい状態が続いてしまうのだ。そのため本書では、カフェインの服用は午後2時までにしたほうが良いとしている。
Chapter5:体深部の温度を下げる
この章では、体温と睡眠の関係を説明している。
体が熱くて眠れない。という経験はあるだろうか?人の体温は一日に2度近く上下する。そして、睡眠導入時に最も低くなる。つまり、眠るタイミングで体温を下げておくことが良質な睡眠につながるということだ。そのためのアクションプランとして、本書では室温を15.5~20.0度に保つことを勧めている。
長くなったので、ここまでにしようと思います。次回はChapter6以降を書きます。
Chapter6:22時~2時の間に眠る
P.S.
A bad decision is better than no decision.
という言葉がありますね。コンサル業界でよく使われるようですが、悪い判断はなにも判断しないに優る。というものです。
これには私も同意見で、判断も行動も、何もしないよりは何かをしたほうが良いと思います。失敗したとしても、うまくいかない方法を1つ見つけた分、なにもしないよりかは1歩進んでいます。また、資料作成等では最初からベストのものを作ることは難しく、叩きとして一度作成し、それを修正したほうが最終的な産物の質も作成速度も速いと思います。
以上
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